香りの散歩道


水化粧(みずげしょう)

墨絵・朝野泰昌
「朝野家 香りの散歩道」
この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りします。

今日のお相手は、私、木村匡也です。
紫式部が主役になったドラマの影響で、平安時代の文化が注目されているようですね。
白粉(おしろい)や紅(べに)で粧う、日本独自の化粧文化が華ひらいたのも、この頃です。

一日のほとんどを室内で過ごしていた宮中の女性たちは、薄暗い建物の中で顔を明るく見せるために、真っ白な白粉をつけるようになった、ともいわれています。
白粉を水で溶いて顔に塗り、赤と黒の濃淡で表情をつくりあげていく、日本古来の化粧法は「水化粧(みずげしょう)」と呼ばれます。

今でも、歌舞伎役者や舞妓さんなどは「水化粧」をしているとか。
くちびると目もとに塗る紅も、水で溶いて使うそうです。
ちなみに、演劇の舞台などで使われるドーランは、油性のファンデーションです。
まさに、水と油の違いがあるのですね。

結婚式で白無垢を着る花嫁さんの、はんなりとした白塗りも水化粧です。
お色直しでドレスに着替える場合は、すばやくメイク直しができるようファンデーションを使うことも多いようですが、せっかくなら、日本古来の化粧をした花嫁姿を見てみたいと思いませんか。

日本画のような透明感を出すためには水加減が大切で、白粉を溶かす水の量だけでなく、水の質によっても仕上がりが変わるそうです。
『源氏物語』に出てくるような香り高い平安の女性たちも、水にこだわって化粧を楽しんだのでしょうね。


「朝野家香りの散歩道」この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りしました。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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